「麹」と「糀」、どちらも「こうじ」と読む漢字です。
一般的に使われる「麹」は、中国から来た漢字で、穀物を蒸して麹菌(コウジカビ)を繁殖させたものです。
そして「糀」は、日本で作られた国字です。
コウジカビが、米に花が咲くように生える様子から生まれました。
数年前に「塩麹」が一大ブームとなりましたが、麹の歴史は古く、味噌や醤油、漬物、日本酒など日本独自の発酵食品にも上手に取り入れられてきました。
コウジカビという菌を、蒸した米や麦、豆などに繁殖させたものが麹で、主に発酵食品を作るために利用されます。
麹の歴史は紀元前までさかのぼり、弥生時代には麹を用いる技術が日本にも伝わり始めたと言われています。
麹が体に良いと言われるのは、多くの酵素が含まれているためです。
酵素には、食物の栄養を分解して、消化・吸収を助ける役割があります。
麹に含まれる酵素には、アミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ、ペクチナーゼなど、その数は30種類以上にもなります。
麹は、まさに酵素の宝庫なのです。
【麹に含まれる酵素のはたらき】
栄養素の分解
栄養素を消化・吸収しやすく分解する。
うま味を感じるアミノ酸を生み出したり、食物を柔らかくする力がある。
消化のサポート
アミラーゼがデンプンをブドウ糖に、プロテアーゼがたんぱく質をアミノ酸に分解する。
酵素の力によって、ある程度分解された状態で摂取できるため、体内での消化・吸収がしやすくなる。
腸内環境の改善
麹の酵素によって生み出されるオリゴ糖は、腸内細菌の善玉菌のエサとなり、善玉菌が増加して腸内環境を整える。
ビタミンの生成
菌は、自身の代謝の過程で、ビタミンB1、B2、B6、ナイアシン、ビオチン、パントテン酸、イノシトールなど、肌の代謝に関わるビタミン類を生成する。
現代人は、酵素が不足しがちです。
また、多くの酵素やビタミン類は、健康だけでなく美容面でも良い影響を与えてくれます。
食物を美味しくするだけでなく、健康や美容に嬉しい様々な効果をもたらしてくれるのが麹の魅力です。
ぜひ積極的に食生活に取り入れて、麹の力をどんどん役立てていきましょう。