貧血は、なんとなく女性だけの悩みというイメージが強いかもしれません。
確かに、女性のおよそ2割は貧血患者だと言われるほど、女性の貧血は身近な問題です。
女性に多い一般的な貧血の場合、そのほとんどが体内の鉄分不足によって起こる「鉄欠乏性貧血」です。
しかし、実は近年、貧血を訴える男性も増えていると言われています。
そして、男性の貧血の場合は、鉄欠乏性貧血患者はそれほど多くなく、より重い病気のサインとなっている可能性も高いので、注意が必要です。
【女性の貧血】
貧血は、血液の赤血球の中にあるヘモグロビンという血色素が減少することで起こります。
ヘモグロビンは、体中の組織に酸素を運ぶなど、非常に重要な役割を担っているため、減少すると様々な組織が酸欠状態になります。
その結果、立ちくらみや息切れ、顔色が悪い、フラフラするなどの症状へとつながってしまうのです。
女性に貧血が多い理由には、月経や婦人科系の病気によって出血が多くなることが挙げられます。
男性よりも出血によって鉄分が不足してしまう機会が多いため、鉄欠乏性貧血の割合が多くなってしまいます。
【男性の貧血】
一方で、男性の貧血では、鉄欠乏性貧血よりも、胃・十二指腸潰瘍、胃がん、大腸がん、大腸ポリープなどの病気によって、体内で出血が起こっている可能性が高いことが挙げられます。
貧血症状のある男性から、胃がんや大腸がんなどの病気が発見されることは、珍しくありません。
もちろん、男性の貧血症状の全てが、重大な病気につながるわけではありません。
しかし、頻繁に貧血の症状に襲われる人や、加齢とともに貧血がひどくなってきたという人は、何か体内で異常が起きていることを疑い、貧血は病気のサインの可能性もあるということを意識することも大切です。
男性の場合は、貧血の症状を見て見ぬふりしてしまうケースもとても多いようです。
貧血の症状が続く場合には、男性も女性も、なぜ貧血が起きているのかをしっかりと知ることで、自分の体を守る、健康的な生活を維持することにもつながっていくはずです。