新型コロナウイルスの感染対策として、当初から重要とされている「換気」。
家庭や学校、職場、屋内施設などでは、十分な換気を行い、こまめに空気を入れ替えたり循環させるということが、今まで以上に重要視されるようになりました。
実はこの換気、ウイルスへの感染リスクを減らすというメリット以外にも、健康面で非常に良い影響があります。
それは、換気をすると体が疲れにくくなるということです。
特に、高層ビルやオフィスの一室といった人工的で密閉された空間では、この換気が心身の状態を整えてくれる効果が高いと言われています。
窓を閉め切った空間よりも、窓やドアが開かれた空間の方が、ほっとしたり気持ちが良いと感じることがありますよね。
これは、人工的に外から遮断された空間に、「ゆらぎ」が生まれるからなのです。
ゆらぎとは、自然界にたくさん存在しています。
例えば、風の音やそよぎ、鳥のさえずり、木漏れ日の輝き、雨の音、波の音や感覚、炎の揺れ…。
自然界に存在しているこれらのゆらぎは、どれも一定のようで、実は予測できない不規則なもの、常に変化しているもの、それらがゆらぎです。
最近では、「f分の1ゆらぎ」といって、一見規則的なものと不規則なものが調和した状態には、高いリラックス効果があると注目されています。
自宅と職場の行き来で過ごす毎日の中、休日に山登りやハイキングをしたり、公園でゆっくりと歩いたりして自然を感じることで、リフレッシュできると感じる人は少なくないと思います。
私たち人間は、ゆらぎを目や耳、肌で感じることで、安心して心地良さを覚えるものなのです。
そして、このゆらぎには、疲れを軽くしたり、疲れにくくする効果があることが、近年明らかになってきています。
ある実験で、ゆらぎがほとんどない環境より、ゆらぎのある環境で車の運転をした方が阿、疲れにくく、事故を起こしにくい、運転効率の低下が抑えられるという結果も出ているようです。
運転中や、オフィスでの仕事中、学校での勉強中など、閉鎖的な空間に長時間いなければならない時には、窓を開けて外のゆらぎを感じることで、自然と疲れにくい環境づくりにつながっていくはずです。
真夏の室内はエアコンの使用によって窓を開ける機会が減ってしまうかもしれませんが、ぜひ積極的に窓やドアを開け、ゆらぎを感じる生活を送りましょう。
換気もゆらぎも、続けることで、私たちの健康維持に無理なく良い影響をもたらしてくれるはずです。