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奥歯が痛くて心臓病!?知っておきたい狭心症の『関連痛』について

時に命に関わる心臓の病気。

「狭心症」や「心筋梗塞」の通院患者数は、日本国内で年間約80万にものぼると言われています。

心臓の病気と聞くと、胸の痛みが症状として真っ先に挙げられると思いますが、実は必ずしも胸が痛むとは限らず、胸には痛みを感じないケースや、胸以外のほかの部位に痛みが生じる場合もあります。

 

【狭心症と心筋梗塞】

狭心症は、心臓に血液を送っている冠動脈の一部に異常が起き、血液が流れにくくなって、心臓の筋肉(心筋)が弱ってしまう病気です。

そして、さらに冠動脈に血栓が詰まって血流が途絶え、周囲の心筋が壊死してしまうのが心筋梗塞です。

特に狭心症では、胸以外の部位に痛みが起きる関連痛(放散痛)などの症状が現れるケースも少なくありません。

 

【関連痛が起こりやすい部位】

・奥歯

・のど

・肩

・腕

・背中

・みぞおち

など

狭心症の関連痛は、主に上半身や体の左側に多いのが特徴の一つです

心臓と全く関係のなさそうな奥歯やのどの痛みがあったり、肩こりや胸やけなどの身近な症状として感じることもあります。

 

【関連痛が起こる理由】

関連痛は、神経の勘違いによって起こると考えられています。

通常、狭心症が起こると、心臓から感覚神経、脊髄、脳へと刺激が伝わって、「胸が痛い」と感じます。

心臓から脊髄に感覚神経がつながっているように、奥歯や肩、腕、胃など、上半身の各部位からも、それぞれ感覚神経が脊髄につながっています。

そして、これらの感覚神経は、ほとんどが同じ束になってつながっているのです。そのため、狭心症が起こり、心臓から刺激が脊髄に伝わる時に、別の神経にも刺激がうつってしまうことがあります。

その結果、「歯が痛い」「腕が痛い」「背中が痛い」などと感じてしまうのです。

 

 

関連痛のことを知っておけば、より早く狭心症に気付き、心筋梗塞を予防する意識にもつながっていくはずです。

奥歯や肩に痛みやだるさを感じた時、それがもしかすると狭心症の関連痛だと疑うことで、自分の体を病気の悪化から守ることができるようになります。

心臓の病気は特に危険な病気の一つでもあるので、関連痛の存在については、ぜひ知っておいてほしいと思います。