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ニオイが分からない「嗅覚低下」の原因と予防のポイント

私たちの健康な生活を支える要素の一つである、嗅覚。

鼻の奥にある嗅細胞がニオイの分子をキャッチし、その情報を脳に伝えることで、私たちはあらゆる場面でニオイを感じることができています。

 

しかし、何らかの理由でその嗅細胞にニオイの分子が届かなくなったり、嗅細胞が変性して脱落したりすると、嗅覚の低下が起こり、ニオイを感じにくくなったり、ほとんどニオイを感じられなくなったりします。

風邪をひいた時にニオイを感じにくくなる現象は、多くの人が経験したことがあるでしょう。

そのほかにも、ニオイが分からなくなる原因には、いくつかのことが挙げられます。

 

【嗅覚低下の原因】

ウイルス感染

風邪やインフルエンザのウイルスが嗅細胞を壊してしまうことで、嗅覚障害が起こることがあります。

新型コロナウイルス感染症においても、嗅覚の異常を訴えるケースが報告されています。

一般的な風邪の場合は、鼻水や鼻づまりの症状とともに嗅覚の異常が起こることが多いですが、新型コロナウイルス感染症では、鼻水や鼻づまりがなくても、突然嗅覚障害が起こることも多いようです。

 

鼻の病気

アレルギー性鼻炎や慢性副鼻腔炎などで鼻づまりが起こったり、鼻の中にポリープがあったりすると、ニオイの分子が嗅細胞に届きにくくなることで、ニオイを感じにくくなります。

 

加齢

実は嗅覚も、加齢による影響を受けます。

男性では60代、女性では70代から、嗅覚の低下が目立つようになります。

この男女差についてはっきりとした理由は明らかになっていませんが、男性は喫煙率が高いことや、女性は調理や化粧品の使用などで男性よりもニオイに接する機会が多いことが関係している可能性があります。

 

認知症

近年、嗅覚の低下の原因として関係が深いことが分かってきているのが、認知症です。

認知症で起きる脳の病変の影響が、嗅覚にも及ぶと考えられています。

 

 

嗅覚が低下する、つまりニオイを感じにくくなると、

食べ物の味が分からなくなる

→食事がまずく感じて栄養不足や塩分&糖分過多につながったり

腐敗臭に気付けずに食中毒のリスクが上がる。

ガス漏れや煙のニオイに気付かない

→ガス中毒や火災のリスクが高まる。など、健康をおびやかすだけでなく

時には命の危険のリスクを高めることにつながってしまう場合もあります。

 

嗅覚を衰えさせないコツとしては、日常的に色々なニオイを嗅ぐことです。

また、継続した運動習慣も、嗅覚低下の予防に役立つと言われています。

日常生活の中で“ニオイ”を意識し、しっかりと嗅覚を刺激する生活を送りましょう。