長引くマスク生活で懸念されていることの一つが、唾液の分泌量の低下です。
唾液なんて別に少なくても大丈夫!だと思う人もいるかもしれませんが、実は唾液は、口の中を潤すためにあるものではありません。
【唾液のはたらき】
・自浄作用…歯や歯間に付着した食べかすや思考を洗い流す。
・再石灰化作用…食べ物や飲み物などによって、溶けかかった歯の表面を修復し、虫歯を防ぐ。
・抗菌作用…口の中の細菌の増殖を抑える。
・pH緩衝作用…飲食によって酸性に傾いた口内のpHを中和させる。
・粘膜保護作用…唾液が歯や口内粘膜を覆うことで、細菌からの刺激や感染、歯の摩耗や歯が溶けるのを防ぐ。
・粘膜修復作用…唾液に含まれる上皮成長因子と神経成長因子が、組織の修復による傷の治癒を促す。
・潤滑作用…唾液によって舌やのどの動きがなめらかになり、会話や食事がスムーズにできる。
・水分平衡作用…口内の水分量を調節し、乾燥状態を防いで、細菌の繁殖や外的刺激から守る。
・消化作用…唾液に含まれる消化酵素「アミラーゼ」はが、デンプンを分解し、消化を助ける。
このように、唾液には様々なはたらきがあります。
しかし、マスク生活で会話の機会が減ったり、口呼吸が増えることで、唾液の分泌量が低下している人が多くなっているそうです。
そこで、唾液の分泌を促すマッサージを紹介します。
【唾液の分泌を促すマッサージ】
1.両耳のつけ根あたり、ぎゅっと噛みしめた時に膨らむ部分に親指以外の指4本を押しあて、前にゆっくりと円を描くように回しながらマッサージをする。10~20回、ゆっくりと回す。
2.今度は左右のあごの下に親指を押しあて、あごの先に向かって強めに押しながら位置をずらして指を進める。しっかりと指圧して、顎下腺を刺激する。
このような簡単なマッサージを1日数回行うだけで、唾液の分泌を促す効果が期待できます。
長時間のマスク着用に、唾液の減少が加わると、口臭がきつくなる可能性も高くなります。
優れたはたらきを持つ唾液をしっかりと分泌して、マスク生活でも口内環境を良好に保ちましょう。