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身体の内側が渇くドライシンドローム予防法

【ムチンのはたらき】

私たちの体を外敵から守るはたらきをする粘膜の乾燥を防いでいるのが、粘液です。

この粘液は、腺細胞と呼ばれる細胞でつくり出されます。

腺細胞は、血液を材料に粘液をつくり、粘膜を粘液で覆うように分泌しています。

そして、この粘液の中に含まれる重要な成分が、「ムチン」です。

ムチンには、異物をくるむようにして取り囲む性質があり、このムチンに包まれることで、異物は体外へと排出されやすくなります。

さらにムチンは、粘液が粘膜にむらなく広がるのを助けるはたらきもあります。

このムチンのはたらきにより、粘膜のバリア機能が十分に果たされるというわけです。

 

【ドライシンドロームの予防】

ムチンという成分は、ヤマイモやオクラなどのネバネバした食材に含まれています。

しかし、これらの食材を食べたからといって、その分ムチンが増えて粘膜のバリア機能が向上するかといえば、実はそうではない部分もあるようです。

ムチンを増やすためには、粘液の分泌自体を促すことが大切です。

ドライシンドロームの予防には、

 

・入浴

・リラックス

 

この2つがポイントになります。

しっかりと湯船で体を温める習慣をつけることで、血液の流れがスムーズになり、粘液の生成を促して、粘膜の乾燥予防に役立ちます。

特にドライシンドロームに有効なのが、重曹とクエン酸をから生まれる重炭酸イオンが溶け込んだお湯に浸かる「重炭酸温浴」だと言われています。

 

そして、もう一つのキーワードがリラックスです。

 

例えば、目を閉じて音楽を聴いて、心身を十分にリラックスさせると、唾液の分泌量がアップするという研究データがあります。

ストレス社会とも言われる現代では、日々強いストレスにさらされて、交感神経が優位の状態が長く続き、これにより粘液の生成を招く恐れがあります。

緊張した時に口の乾きを感じやすいのは、このためです。

反対に、リラックスして副交感神経を優位にすることで、粘液の生成が促され、粘膜の乾燥予防につながります。

 

普段はあまり意識しない粘膜の乾燥ですが、放っておくと知らず知らずのうちにバリア機能の低下を招いてしまっているかもしれません。

また、粘膜が潤えば、自然と肌の乾燥対策にもつうながっていきます。

体の乾燥は、粘膜レベルで意識して、ドライシンドロームをしっかりと防ぎましょう。