私たちの体を形成している「骨」。
骨がもろくなると、手足の骨折やケガが起こりやすくなったり、運動するのが億劫になって、簡単な運動にもついていけなくなったりします。
また、骨が弱くなって痩せてくると、骨と皮膚の間にすき間が生じ、シワやたるみの原因にもなります。
何歳になっても、若々しく、元気であり続けたい!
そのために、骨の健康維持は欠かせない要素であり、骨は健康寿命を左右する要とも言える存在です。
そんな骨のイメージと言えば、皆さんはどんなことが思い浮かびますか?
白い、硬い、そして年齢とともに弱くなるもの…。
「骨粗しょう症」や「骨密度」という言葉も、最近よく耳にします。
確かに、加齢とともに骨をつくる力が衰えていくという事実はあります。
しかし、だからといって、「○○歳だから骨が弱くても仕方がない」「年をとると骨が折れやすくなって当たり前」などと、強くて丈夫な骨の維持を諦める必要もないのです。
骨は、しっかりとケアすれば、衰えを防ぐことが十分可能です。
加齢に負けない強い骨は、実は何歳からでもつくることができるのです。
【骨の仕組み】
骨は、毎日新陳代謝を繰り返し、正常な場合はおよそ5ヶ月ほどで生まれ変わり、全身の骨は3年程度で入れ替わると言われています。
骨代謝は、破骨(はこつ)細胞により古い骨が壊され、その刺激で骨芽(こつが)細胞へ新しい骨をつくる指令が送られて、血液中のたんぱく質やカルシウムから新たな骨がつくられるというサイクルで行われています。
骨は、つくっては壊し、またつくられるという2つの細胞の連係プレーによって、強く健康な状態を維持することができているのです。
【骨がもろくなる原因】
栄養不足
骨の形成に必要なたんぱく質やカルシウム、ビタミンなどをはじめ、バランス良く栄養を摂ることが重要です。
特にカルシウムは、骨だけでなく、心拍や神経の伝達など、生命維持に関わる重要な成分のため、そちらに優先的に使われることで、不足すると骨の健康が犠牲となってしまいます。
運動不足
丈夫な骨を絶えずつくるためには、正常に骨代謝が行われることが重要です。
適度な運動による負荷や刺激は、破骨細胞や骨芽細胞を刺激して、これが加齢に負けない正常な骨代謝につながります。
反対に運動不足だと、骨代謝が悪くなります。
極端な紫外線不足
実は紫外線は、食べ物から摂取したカルシウムを体内に取り込む際に必要なビタミンDの生成に関与しています。
極端な紫外線不足は、体内でのビタミンDの生成不足により、骨密度の低下が起こりやすくなります。
1日15分程度は、日光に当たってビタミンDの生成を促すことが、骨づくりには有効だと言われています。
ホルモンの減少
特に女性の場合は、閉経による女性ホルモンの減少により、骨代謝のバランスが崩れて、破骨細胞が優勢になり、骨がスカスカになって骨粗しょう症のリスクが高くなります。
また、無理なダイエットによってホルモンのバランスが崩れ、若いうちに骨密度が低下してしまうケースもあります。
では、丈夫な骨の維持のために、具体的にどんなことを意識すれば良いのでしょうか。
次回もう少し詳しく「骨」のお話を続けていきましょう。