「過敏性腸症候群(IBS)」という病気を知っていますか?
過敏性腸症候群は、検査等を行っても、炎症や潰瘍などの器質的疾患が見られないにも関わらず、下痢や便秘、腹痛、下腹部の張りなどの症状が持続するものです。
原因については、はっきりと解明されていないことも多いのですが、ストレスなどによって、腸の運動を司る自律神経に異常をきたすことが一つの要因になっていると考えられています。
過敏性腸症候群は、症状によって主に3つのタイプに分けられます。
・下痢型…少しのストレスや不安で、下痢の症状を引き起こす。
・便秘型…慢性的な便秘の症状。便が出ても水分の少ない硬い便。
・混合型…腹痛や腹部の違和感があり、下痢と便秘が数日ごとに交互に現れる。
このほか、上記のどれにも分類できない分類不能型や、おならに困るガス型と呼ばれる種類もあります。
特にガス型の過敏性腸症候群は、若い女性に多く見られ、人知れず悩んでいる人も多いと言われています。
おならがよく出る、ガスが溜まってお腹が張る、おならの臭いが気になるなどが、ガス型過敏性腸症候群の代表的な症状です。
人前でおならをするのはとても恥ずかしいことですが、ガス型過敏性腸症候群の人の場合、どんなに気を付けていても、我慢しようとしても、おならが出てしまうことがあります。
過敏性腸症候群という病気の認知度が低いことも、ガス型過敏性腸症候群で悩む人の数を増やしている一因でしょう。
おならがよく出るのは食生活のせいだと思い、頑張って食事を改善しても、なかなか効果が出ないケースも少なくありません。
逆に言うと、腸に良い食事を続けているのに症状が変わらないという人は、過敏性腸症候群の可能性があるとも言えます。
また、過敏性腸症候群の診断は、自覚症状に基づくものや、便の形状によって分類をするのがほとんどなので、ガス型の診断を下せない場合も多いようです。
過敏性腸症候群の治療は、生活習慣の改善やストレスの軽減、場合によって運動療法や薬物治療などを行っていきます。
まずは過敏性腸症候群の認知度を上げ、若い人でも自分の体の異常に気付きやすくすることが大切です。
なかなか人に言いにくい悩みかもしれませんが、自分のおならの回数や臭いに悩んでいたら、それはガス型過敏性腸症候群かもしれません。