更年期を元気に乗り切るために①
女性の心身の健康と深く関わっている女性ホルモン。
女性ホルモンの分泌が本格的にスタートし、初潮を迎えたりするのが「思春期」です。
その後、女性ホルモンの分泌量が安定し、十分に分泌されるようになると、月経の周期が定まり、妊娠や出産に適した「成熟期」となります。
そして、女性ホルモンの分泌が急激に変化し、やがて閉経を迎えるのが「更年期」、女性ホルモンがほとんど分泌されなくなる「老年期」というように、女性の人生に常に関わり続けているのが、女性ホルモンの存在なのです。
中でも、最も急激に心身の変化が起こるのが「更年期」です。
更年期では、女性ホルモンの分泌が不安定になったり、分泌量が急激に減ることで、体や心の不調を招くケースが多くあります。
「更年期」という言葉や、どんな変化が起こるのか、なんとなく知っている人も多いと思いますが、ぜひ更年期に関する体の変化について、知っておきたいことをまとめていきましょう。
【更年期と更年期障害】
一般的に、女性の閉経の前後約5年ずつを、更年期と呼びます。
日本人女性の閉経の平均は52歳頃といわれているので、およそ45歳頃から更年期を迎える人が多いと思います。
更年期の時期になると、ほてりや発汗(ホットフラッシュと呼ばれる症状)、のぼせ、めまい、頭痛、全身の倦怠感、不眠などの様々な身体的不調が現れることがありますが、検査などを行っても特に異常が見付からず、これらは更年期に見られる症状の代表的なものです。
さらに、気持ちが落ち込んだり、やる気が出ない、イライラする、不安や憂うつといった精神的な症状も、更年期症状として更年期の女性によく現れます。
これらの身体的、精神的な症状がひどくなり、日常生活に大きな支障をきたす状態のことを、更年期障害といいます。
更年期や閉経を迎えること自体は、女性の体に起こる自然な変化ですが、更年期であることと更年期障害は別の問題です。
【更年期に見られる症状】
1.血管運動神経系の症状
(ホットフラッシュ、動悸や息切れ、浮腫み、発汗など)
2.精神神経系の症状
(頭痛、めまい、不安感、イライラ、不眠、うつ症状など)
3.皮膚・分泌系の症状
(のどの渇き、ドライアイなど)
4.消化器系の症状
(吐き気、下痢や便秘、胃もたれや胸やけなど)
5.運動器官系の症状
(肩こり、腰痛、関節痛、しびれ、手指の痛みや変形など)
これらは代表的な更年期の症状ですが、程度や種類には個人差があり、少しだるいくらいで日常生活に特に支障がないような人もいます。
しかし、これらの症状は、体が変化するタイミングであることのサインです。
更年期のサインにいち早く気付くことが、更年期を元気に乗り切るための第一歩です。
更年期に気を付けたいことや、更年期を乗り切るためにはどうすれば良いのか、次回もう少し詳しくお伝えしていきましょう。