運動器の障害のために、移動機能の低下をきたした状態を、
「ロコモティブシンドローム」(通称「ロコモ」)といいます。
英語で移動を意味する「ロコモーション」や、移動するための能力があることを表す「ロコモティブ」からつくられたロコモティブシンドロームという言葉は、ここ数年でよく耳にしたり、話題に挙がるようになってきました。
【急増する現代のロコモ患者数】
私たちが立ったり、歩いたり、何かを作業するといった、広い意味での“運動”には、骨や関節、筋肉、神経などの組織が関わっています。
そして、これらの組織(運動器)の障害により、身体能力(特に移動能力)が低下した状態がロコモです。
ロコモが進行すると、将来的に介護が必要になるリスクが高くなります。
また、近年では30代や40代くらいの若い世代でも、ロコモの人が増えてきていると言われています。
ロコモという名前は聞いたことがあるけれど、そんなの遠い未来の話!今の自分には関係ない!などと油断していると、早い段階でロコモが進行してしまう恐れがあります。
移動手段の利便性が向上し続けている現代では、運動不足が世界的にも問題視されている状況です。
そんな現代で、増え続けているのが、ロコモ患者なのです。
【ロコモの予防】
ロコモの予防には、日々の運動習慣がとても重要になります。
私たちの運動器は、普段の生活で体を動かし、負荷をかけることで、健やかな状態を維持することができます。
加齢とともに衰えてしまう筋力や、減ってしまう筋肉力を、いかに良い状態で保つことができるかどうかがポイントです。
若くても、毎日ゴロゴロ過ごしたり、ほとんど運動をしない生活を続けていると、ロコモのリスクはどんどん高まっていきます。
反対に、しっかりと運動習慣を続けることで、筋力や筋肉量の低下を最小限に抑え、健康寿命を延ばすことが可能になります。
覚えておいてほしいのは、“筋肉は貯められる”ということです。
早いうちに「貯筋」をしておくことで、筋力や筋肉量の低下を防ぐだけでなく、身に付けた運動習慣によって、ロコモのリスクを大幅に減少させることができます。
ロコモを防ぐ生活は、あなたの未来の健康を守る習慣につながります。
若いから大丈夫!と油断せず、筋肉をしっかりと貯めておけるような運動習慣を続けていきましょう。