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肩こりや眼精疲労と勘違いされやすい「ジストニア」という病気

最近肩こりがひどくなった、目が疲れてまぶしさを強く感じる、などの症状はありませんか?

一見ただの肩こりや眼精疲労などの症状と思われがちですが、もしかすると、「ジストニア」の可能性があります。

 

【ジストニアとは?】

ジストニアとは、英語で「ジス=異常な」と、「トニア=緊張」という意味の言葉が組み合わさっている病名です。

簡単にいうと、筋肉が異常に緊張していることで、体に様々な不調が現れます。

ゴルファーがクラブを振れなくなるイップスの一部も、ジストニアが原因だといわれています。

ジストニアは、10万人に数十人ほど発症する、まれな病気だと考えられてきました。

しかし実際には、ほかの病気と間違われてしまうことも多く、近年ではジストニア患者数はもっと増えてきているといわれています。

 

【ジストニアの症状】

ジストニアによって起こるのは、様々な運動障害です。

 

・痙性斜頸(けいせいしゃけい)

首周辺の筋肉が緊張して起こるジストニア。首が傾いたりねじれたりして、真っすぐ保つことが難しくなる。

・書痙(しょけい)

手や腕の筋肉が緊張して起こるジストニア。ペンを握ろうとすると、手に力が強く入って、文字が欠けなくなってしまう。

・眼瞼痙攣(がんけんけいれん)

まぶたの筋肉が緊張して起こるジストニア。最初はまぶしさを感じるだけだが、進行すると目が開けられなくなる。

 

上に挙げたのはジストニアの症状の一例ですが、ジストニアは、脳の神経回路の異常で起こる運動障害や姿勢異常の総称です。

かつては精神的な問題だと考えられていましたが、研究が進み、脳に原因があることが分かってきました。

脳にある大脳基底核というところで、体のアクセルとブレーキを上手に調整しているのですが、ジストニアではドーパミンという物質が過剰に分泌されることで、アクセルが強くなってブレーキの作用が弱まり、筋肉への指令が過剰に出てしまうのです。

 

 

まずはジストニアという病気があることを知るだけでも、万が一の時に症状を見逃さない、ジストニアの早期発見にもつながるはずです。

日常生活に支障が出るような運動障害で悩んでいる人は、ジストニアを疑い、正しい検査や治療を受けることにつながればと思います。