「パンケーキシンドローム」という言葉を知っていますか?
別名を「口腔ダニアナフィラキシー」といい、これを聞いてピンと来る人もいると思います。
【パンケーキシンドロームとは】
パンケーキミックスやお好み焼き粉などの、主にミックス粉には、開封した袋内にダニが侵入し、繁殖してしまう恐れがあります。
このダニが含まれた粉製品などを食べることで、アレルギー反応が出てしまうのが、
パンケーキシンドローム(口腔ダニアナフィラキシー)です。
1993年に、アメリカで初めて症例が報告されました。
海外では死亡例が出ているほど危険な症状で、通常はダニアレルギーを持っている人が発症するといわれています。
症状は、じんましんや浮腫み、腹痛、重症な場合は呼吸困難や嘔吐、
血圧の低下などを起こすこともあります。
重い症状が現れなくても、ダニをたくさん摂取することで、アトピー性皮膚炎などのアレルギー症状を悪化させる恐れもあります。
【ミックス粉にダニが増えるわけ】
粉ものの中でも特にダニが繁殖しやすいのは、パンケーキミックスやお好み焼き粉などの、ミックス粉です。
これらのミックス粉の中には、ダニが好む動物性たんぱく質やアミノ酸類が含まれているため、薄力粉や片栗粉などと比べて、はるかにダニが侵入、繁殖しやすい粉といえます。
しっかりと密閉して保管しているつもりでも、ダニのような小さな生物は、あらゆるすき間から侵入してきます。
そのため、粉ものの中でも特にミックス粉の保管や扱いには、注意が必要です。
【ミックス粉の保管方法】
袋を開封したら一度に使いきるのが理想ですが、どうしても保管する場合には、
密閉容器に移して冷蔵庫で保管します。
しかし、それでもダニの侵入や繁殖を完全に防げるわけではないので、できるだけ早く使いきりましょう。
また、ダニの繁殖リスクの低い小麦粉などの粉ものは、一般的に常温保存が推奨されています。
小麦粉を冷蔵庫で保管した場合、出し入れの際の温度差によって、袋の内部で結露が発生し、それがカビの原因になるほか、風味の劣化にもつながります。
ミックス粉と同様にしっかりと密閉して保管することや、粉の中に他の食材やカスなどが入らないように注意することも大切です。
いずれにせよ、粉ものの開封後はできるだけ早く使いきり、あまりに古いものは使わないようにしましょう。
見た目には変化がなくても、見えないダニが繁殖してしまっているかもしれません。